洋書の紙質が昭和初期

どうしても欲しい洋書があって、ペーパーバックの中古を買った。わかっていたことではあるが、紙質が昭和初期。1枚1枚が分厚くて凸凹してる、経年劣化を差し引いても紙が白くはない、というか経年劣化しすぎ、インクジェットのような印字。

これってもちろん日本の製紙技術が高すぎて他国とは比べ物にならないという技術論もあるとは思うのだが、実は本の捉え方が一番影響してるんじゃないかと思ってる。

僕らは本をモノとして見ている節がある。そこには所有欲みたいなものがあって、そのモノ自体に価値を見出している。カバーも大切に保管し、汚さないように折り曲げないように扱う。

きっと紙の質にこだわらない他国では、本を情報としてしか捉えていない。情報に金を払っているから、紙の品質は関係がない。知識を入れたり、感動できたりする体験が重要で、そのモノ自体は日焼けしようが劣化しようがお構いなし。

電子書籍が主流になった今なお、「やっぱり紙がいいよね」という論調が起きるのは、もしかしたら日本人特有の感覚なのかもしれない。

本=情報という価値観はそのとおりだとは思うが、そのモノとしての質が読書体験を大きく左右することには異論なく、むしろこれだけインターネットとそこにアクセスできるデバイスが普及した現代においては、本は情報的価値よりモノとしての価値(見た目、デザイン、手触り、所有欲)の比重が高まってくるんじゃないかなとすら思えてくる。

僕は圧倒的に電子書籍派だけど、
洋書 < 電子書籍 <<< (超えられない壁) <<< ジャパニーズブックス
みたいなポジションまだまだ狙えると思う。このキャッチコピーで製紙業界頑張ってほしい。

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